ABCラジオ『誠のサイキック青年団』も2009年春改編で終了か
<3/15 25時追記>
29日までは続く予定だったはずの放送だが、本日番組開始の25時に、「先週(3月8日)の放送をもって番組を最終回とした」とのアナウンスがあった。アナウンスの後は放送終了(停波)ではなく、フィラー音楽のようなBGMが流れ、その後も約10分毎に冒頭に流されたアナウンスが流れている状態。
なお同時に、朝日放送のサイキックのページもコンテンツが削除され、アナウンスで読まれたものと同じお詫び文面だけが掲載されている状態になっている。
20年以上続いた長寿番組のあまりにも突然の終わり方に、今の時点では驚いたとしか言いようが無い。
<3/16 24:30追記>
案の定、早くもABCラジオのトップページからは番組ホームページのリンクが消え、何も知らない人は昨日掲載されたお詫び文すら読めなくなっている(※ファイルはまだあるため、現時点では上に記載した直接リンクからなら、まだ文面は読めるが、これもいつまで持つか…。)。
また、ラジオタイムテーブルからも番組の「枠」自体が消滅。放送終了が25時となっている。まるでサイキック青年団という番組なんて無かったかのような扱いだ。
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この春は長寿番組終了のニュースがやたら多い。今度は大阪・朝日放送(ABCラジオ)の『誠のサイキック青年団』の終了のニュースだ。まずは、本日(2009年2月22日)付の「ORICON STYLE」の記事から。
ナニワの“長寿ラジオ番組”『誠のサイキック青年団』20年の歴史に幕をおろす
大阪・ABCラジオの人気深夜ラジオ番組『誠のサイキック青年団』(毎週日曜 深夜1:00)が来月29日の放送を最後に20年の歴史に幕を閉じることが、21日(土)までにORICON STYLEの取材でわかった。関係者によると、番組自体は長年応援してきた“サイキッカー”(リスナー)への配慮から、今後他局への移籍やネットラジオを含めて「何らかの形で継続できるよう、現在調整中」(事務所関係者)とのこと。同件については今夜の放送内で正式発表するという。
番組は1988年4月にスタート。タレント・北野誠と作家・竹内義和が芸能、社会、政治などから下ネタまでを話題にしながら、独自の目線で面白おかしい「トーク番組」として長年、絶大な人気を誇っている。これまでに歌手・大瀧詠一やaiko、漫画家の大友克洋らが熱狂的リスナーとして公言するだけでなく、とかくマスコミの“業界内聴取率”が高い番組として有名。現在は、放送エリア外でも同局の携帯有料会員になれば、パソコンでストリーミング形式でオンエアをほぼ、ノーカットで聴くことが可能など、全国にファンを抱える同局における「裏の看板番組」として会社案内書類に掲載されたこともあった。
一方で、過激な芸能界の裏ネタや邪推されたトークも多い点などから、早くからネット上での「ネタばらし」被害に遭うだけでなく、番組で取り上げたタレントのファンや事務所からのクレームが番組宛や局に殺到。93年には、歌手・山本リンダのヘアヌード写真集を痛烈批判したことから法的措置にまで問題が発展。最終的には北野らが謝罪会見まで行う事態になるなど、これまで幾度の“番組存続の危機”があったが、その度に周囲の関係者の協力や熱烈な番組リスナーの支えもあって、昨年春には20周年を迎えた。夏には、諸般の事情で番組タイトルが使えない中、大阪厚生年金会館でイベント『濃い口トークミーティング』を開催し数千人のファンが集結。そこで北野、竹内両氏が「ここにいるのは皆、親戚や。放送局が変わるかもしれないが、番組は絶対に続ける!」と声高らかに宣言していた。
関西では今春に相次いで、芸能こぼれネタを扱うテレビ番組で人気だった『週刊えみぃSHOW』『なるトモ!』(大阪・読売テレビ)『ムーヴ』(ABCテレビ)などがすでに終了することを各局が表明。昨今の「コンプライアンス(法令順守)」に厳しい世の中の流れを受けて「深夜のラジオ番組とは言えど、局サイドからするとその問題を無視し続けることが困難になってきた」(某在阪ラジオディレクター)ことも要因に挙げられる。
また、別の在阪ラジオ局編成マンは「来年度は、今年の半分近い予算が削られる。ラジオ・テレビ両方運営する局ではこれまでテレビの莫大な売上で、ある種“赤字補てん”した形となっていたが、昨年のリーマンショック以来、その部分でも大幅なダメージを受けた。これまでのラジオメディアの運営自体に無理があり、それも限界に達するのは時間の問題」と証言。事実、今年に入り在京キー局の文化放送では、愛川欽也が出演する『キンキンのサンデー・ラジオ』がスポンサーが離れたことなどから突如、打ち切り。また、TBSラジオも小堺一機と関根勤がタッグ共演する『コサキンDEワァオ!』の終了を発表するなど、ラジオを取り巻く環境はより一層厳しいものとなっている。
今回の放送終了の噂は昨夏のイベント前後から始まり、さらに今月16日放送のニッポン放送『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』(月〜金 前11:30)の冒頭において、高田が先日、歌手・嘉門達夫の結婚パーティに出席した際、発起人の1人だった北野から「もしかしたら(番組が)終わりそうなんです…」と今後について相談されていたことを告白。「関西ラジオ界のカリスマの今後が心配」とコメントしたことから『サイキック〜』のコミュニティがあるSNSサイトや、巨大掲示板などで情報が錯綜していた。
今夜放送される番組内で北野と竹内が3月末での放送終了する経緯を明かし、最終回の前日となる28日(土)に大阪・メルパルクホールで再びトークライブを開催することもあわせて発表する。
この番組も、実は自分が1988年4月の放送第1回からしばらくは欠かさずに聴いていた番組。のちに雑誌『ラジオパラダイス』等で取り上げられて「知る人ぞ知る」有名番組になっていくのだが、番組初期はリスナーが少なく、いつ番組が終わってもおかしくない状況だったようだ。
そんななかで、当時『サイキック』の前の時間に放送されていた某アイドル番組のリスナーを引きずり込むため(俗に『ナイトQ』作戦とも呼ばれた(※1))、番組冒頭で意識的にリスナーから寄せられたアイドルの噂(「○○と××が楽屋で△△しているのを私は見ました」というようなもの)の信憑性について検証したり、また、新聞・テレビの報道姿勢に疑問を投げかけたり、写真集の批評や新興宗教、超常現象へのツッコミを入れてみたりなど、硬軟織り交ぜたトークが繰り広げられていたのだが、こういった内容の多くは、今ではインターネットの掲示板でよく見受けられるようになったが、インターネットが普及していないこの時代としては、新しいタイプの番組としてかなり刺激的な内容だったから、遠距離受信で一所懸命聴いたものだ。(もっとも、その内容が後々色々なトラブルに発展するわけだが…)
自分の場合、社会人になるとさすがに日曜深夜の放送は聞けなくなって、遠距離受信のためノイズ交じりの録音テープを後から聴くのはやはり億劫ということもあってか、毎週必ず番組を聴くということはなくなってしまったのだが、やはり番組が終わるとなると寂しい気持ちがある。ただ、寂しい気持ちと同時に、番組としてはいったん区切りをつけてもいいのかなという気持ちがあることも確か。
元々番組開始当時、北野誠・竹内義和の両人も、当時裏番組だったOBC『ぬかるみの世界』のことを、深夜帯を開拓した功績は十分認めつつ、「番組の使命を終えた後までウダウダとした話を何年もやらない」「サイキックは3年で終わる」と番組中で話していたものだ。まあ「3年」というのは話の流れとしても、現在の『サイキック』が番組当初言っていた『ぬかるみ』のような状態であることは、その良し悪しは別にして永年聴いていたリスナーの多くにとっては異論の無いところではないかと思う。
また上記の記事中にも触れられているが、ネット時代になって、「関西ローカル」「深夜番組」という枠の中だからこそ通用していた「仲間内のお約束」が仲間内で済まなくなっているのもツライところ。
有名な、世間から集中砲火を浴びた某タレントの写真集の批評の件(※2)で言えば、その部分だけを聞いたり文字に起こすと単なるタチの悪い悪口にしか見えないのだが、番組には番組の流れがあり、某タレントのことを本気で悪意を持ってこき下ろしたわけではなく、毎週いろんな写真集のことについて、個人の嗜好を元に、「サイキック」という番組のトークのパターンの一つとしてしゃべっていただけなのだが、外部からはその「お約束」が通じないから、その回のその部分だけを聞けば単なる悪口としか聞こえず、反論の余地無しといった事態になってしまう。
特にラジオ番組は「仲間内のお約束」をリスナーとパーソナリティーとが共有すればするほど面白くなってくる一面があるのは、ラジオを聴いている人なら大なり小なり感じていることだと思う。しかし、テレビにしろラジオにしろ、昔なら「所詮深夜放送だから」ということで済まされていたことが、それでは済まなくなってきているのは確かで、それがテレビ・ラジオ番組が面白くなくなってきた一つの原因ではあると思うが、世間がそうなってきている以上、放送局としては如何ともし難い。
更に番組自体で言えば、当初は生放送だったのが、数年前から局の経費削減のため事前の録音放送となってからは、「深夜の情報判断番組」といいながら特に選挙ネタなど旬の話題に即座に対応できなくなってトークの鮮度が落ちたのは、仕方の無いことは言え残念だった。
冒頭記事には、「今後他局への移籍やネットラジオを含めて「何らかの形で継続できるよう、現在調整中」とあったが、この不景気の中、強力なスポンサーでも付かない限り他局への移籍はなかなか難しいとも思われる。となるとやはりネットラジオでの存続というのが可能性としては高いと思われるが、有料ネットラジオというのは、前述の『ぬかるみの世界』や、かつてTBSラジオ等で放送していた『斉藤洋美のラジオはアメリカン』のネットラジオがいずれも短期間で終了したように、なかなか成功しないもの。先行きはなかなか厳しそうだ。
それとも、現在でもイベントでの動員力は並みのラジオ番組以上のものがあり、番組本なども一定程度売れるだけの固定リスナーを持つことから、ラ・テ兼営局より状況が厳しいと思われるラジオ関西あたりに移籍して番組を存続させるのであろうか。
番組終了の正式な発表は今夜(2009年2月22日深夜)の放送で行うとのことだが、今後の動向についても注目していきたい。
(2/23追記 やはり番組は終了)
・リアルタイムではさすがに聴けず、帰宅してから録音を聴いたが、番組の中で正式に、3月で番組が終了することが発表された。ただ、誠さんは「朝日放送では終了」というような言い方をしていたので、上記「ORICON STYLE」の記事にあるように何らかの展開は検討されているようだ。
久しぶりに番組をフルで聴いたが、取り上げる内容も正直当たり障りの無いものになっているし、今回の放送で言えば、冒頭の嘉門達夫の結婚式の発起人の話なんかも話題の幅の割りに少々くどく、昔の「過激」なイメージでいるとギャップを感じるかもしれないが、ここまで長く続けてくれば、お二人のウダ話も様式美みたいなもので、(この手の関西系深夜番組に元々慣れているせいもあるかもしれないが)やはり聴いてて楽しかった。この辺が、未だに根強くリスナーを掴んでいる所以なのだと思う。
(※1)
当時、『ニュースステーション』の後にABCテレビで放送されていた、『ナイトQ』という5分番組(関東では現在『オンタマ』の枠)が、『ニュースステーション』を見ていた視聴者がそのまま見ることで高い視聴率を取っていたことにちなみ、某アイドル番組を聴いていたリスナーを少しでも『サイキック』へ引き込んで聴取率を上げようとした作戦。
リスナーの引き込みには成功したが、番組の空気を読めない(「お約束」が通じない)そのアイドルのリスナーが某事務所に多数通報したことから、そのコーナーの打ち切りと番組ディレクターだった板井氏の降板が余儀なくされた。
(※2)
Wikipediaによれば、この問題が起こったのは1993年だから、ネットの本格普及前かもしれないが問題としては同じだと思われる。
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