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2005.10.08

白線流し~夢見る頃を過ぎても~

10/7(金)に放送されたドラマ「白線流し~夢見る頃を過ぎても~」の感想など。

 最初に言ってしまえば、前回のスペシャル、「白線流し~二十五歳」の出来があまりにも…だったせいか、なんとか最後に持ち直したという感じ。
 というか、いよいよドラマが終わることが決まって、前回までにあまりに拡散したストーリーの尻拭いをして、どうにか最初のポジションへ軌道修正して話を終わらせることに最大の意義があった作品なんていうと、怒られるだろうか。

 軌道修正のため?の渉(長瀬智也)の結婚相手である美里(原沙知絵)の死はちょっと強引だったが、時間内に収めるためにはこうするしかなかったのだろう。ただ、なんのために前回登場させたのかという疑問があるのだが、前回の企画時点では、まだ「白線」を終わらせる予定はなかったということか。
 そして、再び園子(酒井美紀)と渉とが元のさやにおさまるわけだが、ラストになっても、園子と渉が、結局どうなるのかはっきり描いていないところに不満を持った方もいるかもしれない。しかし、あまりそういうところを露骨に描かないのがこのドラマの持ち味だと思うので、園子と渉が再びお互いを向き合ったところで終わるというのは有りだと思った。

 …とはいうものの、最後にもう少しジワリと感動させてくれるかと思ったのに、案外淡々と見終わってしまったのは、自分が年をとったということなのだろうか。
 「長瀬の髪型がなんか変」とか、気になる点はいくつかあるが、今回も感じたのは、ただでさえ7人と描かなくてはいけない主人公が多いのに、前回同様、生徒役の新しい二人(小出恵介、西原亜希)を出す意味はあったのかということ。この二人、前半のストーリーには多少絡んでいたが、後半にはまったく不必要な存在だった(最後の最後にまた出てくるがそれについては後述。)。また、前回SPで突如出現した永井大など、今回まったくといっていいほど存在に意味がなくなっていて、かわいそうなくらい。

 そして、本来ならここで感動すべき?シーンである天文台でのプラネタリウムの上映。冬美(馬渕英里何)が書いた、自分達を星に例えた脚本で上映するシーンなわけだが、対象としている子供(というか、上映の遅れに待ちきれなくて館内を走り回るようなガキ共だ。)とのギャップがありすぎでイマイチ素直に入り込めなかった。何となく上映が自分達の自己満足じゃないかと思わせてしまうようで…。
 星の話に例えて連続ドラマ当時の初々しい頃の映像を被せる展開は、最終回らしく、リアルタイムで見ていた世代には特に感慨深いところだけに惜しいところ。あの脚本を上映してもおかしくない設定があれば、もっと素直に入れたのだが。

 そして個人的に一番気になったのは、最後の最後、大詰めのシーン。
 天文台へ駆けつけた渉とそれを見つけた園子とが、長い年月を経て、再び自分の気持ちにお互い素直に向かい合う…という印象的なシーンのあとだ。
 画面が変わり、なぜか陸上のグランド風景へ。今回の番組の前半に出てきた生徒の豊(小出恵介)のところへ、一度は別れた相手の加奈(西原亜希)が訪れる。驚きながらもにっこり微笑む豊。そして、加奈の見守る中、豊は棒高跳びを飛ぶわけだが、その豊がバーを越えたところで画面はストップモーション。そしてエンディングの「空も飛べるはず」のイントロが。

 おいおい、このドラマの主役は誰だよ。生徒役の二人じゃないだろうが!それも長年に亘って続いてきた最後の締めくくりのシーンに、どうして主人公たちを使わない?

 もちろん、「空も飛べるはず」が流れ出してからは、園子をはじめとして「主人公たちのその後」を映すシーンが入るわけだが、最後のエンディングへ入る大事なシーンに、なぜそんな演出が入るのか理解できなかった。前のほうで書いたとおり、ただでさえあまり意味のない登場人物の続出にうんざりしていたところなので余計にそう感じたのかもしれないが。

 なにはともあれ、「白線流し」シリーズは今回で終りということらしい。なんだか続編を作ろうと思えば作れそうな終り方だったのだが、今回多少は持ち直したところで、このまま終わっておいたほうがいいんだろうなぁ…と正直思った。
 それにしても回想シーンで出てきた昔の出演者達がやはり若い!。特に酒井美紀あたりはかなり印象が違う。パナソニックの「コバンザメ」CDとか思い出してしまう(←古いか。)。長瀬智也も昔のほうが渉のイメージに近い気がした。今の演じ方はどうも他のドラマのイメージがダブってしまう。あと、柏原崇の今のやつれ方は最近のSPのシーンと比べても尋常ではない。顔色もセリフもどことなく生気がないのは気になった。
 あとあらためて感じたのは、スピッツの「空も飛べるはず」をはじめとする音楽の良さ。変なタイアップで訳の分からない新曲を使うことなく、連続ドラマの頃から一貫して同じ音楽を使ってくれたのは製作者の良心だと思った。
 この前も書いたが、今後、この手のドラマの企画の実現はなかなか難しいだろうから、連続ドラマの頃からリアルタイムで見られたことは素直に喜びたい。

<参考>
・フジテレビ公式サイト「白線流し」のページ

・こちらもご覧ください
 「ふみさとの斬り捨て御免あそばせ」さん  「白線流し ~夢見る頃を過ぎても~」
 「うぞきあ の場」 さん 「白線流し ~夢見る頃を過ぎても~」
 「いわぴいのドラマ日記」さん 「白線流し<最終章>」

<ラテログ内関連記事>
・ドラマ「白線流し」今秋放送のSPで完結
・ドラマ「白線流し」最終回10/7放送


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コメント

 TBありがとうございましたm(_ _)m

 園子と渉のラスト、私もありだと思います。このドラマらしいかなと(^^)

 豊の跳躍シーン、『白線流し』(あるいは白線)は若い世代にも受け継がれている。『空も飛べるはず』と信じて、若者は明日に向かって飛翔するんだってことなのかなと、自分では解釈してます(^_^;

 こちらからもTBさせていただきましたm(_ _)m

投稿: ふみさと | 2005.10.09 00:32

ふみさと さん

コメント、TBありがとうございます。

 豊の跳躍シーンについては、確かに「次の若い世代」への連続性みたいなものを込めたのかなぁと、実は少し考えました(前半で、園子が自分達と若いカップルを比較して思いにふけるシーンもありましたしね。)
 ただ、本文にも書いたとおり、「主人公を描ききっていないのに余計な人物を登場させて時間使うな~」って気持ちがあったので、やはり最後は主人公たちの画面又はセリフでそれを表現してもらいたかったです。

 まぁ、なんだかんだいっても結局好きなドラマだったからこそ、細かい文句も言っているわけなんですが(^^;)

投稿: tabo | 2005.10.09 01:48

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