ひどい駆け込み、ケガは自己責任と車掌放送
ラジオ、テレビで報道されたのかどうかは分からないが、こんな記事をみつけた。以下、NEWS@nifty:「○?×?…ひどい駆け込み、ケガは自己責任と車掌放送」(読売新聞).より。
JR中央線国分寺駅で今月4日、東京行き快速電車の閉まりかけたドアをこじ開けて乗った男性客に対し、車掌が「駆け込み乗車は危険です。大けがをすることになります。それで大けがをしても、そちら(乗客)の責任です」と車内アナウンスした。
これを聞いた別の乗客がJR東日本に抗議、同社は「言葉に配慮がなかった」と非を認め、車掌を指導した。だが駆け込み乗車は実際に事故につながる危険な行為。発車が遅れると運転士は、JR福知山線事故でもクローズアップされた「回復運転」を強いられることにもなる。識者は「利用者の側も、駆け込み乗車の危険性と、多くの人が迷惑を被ることを認識するべきだ」と指摘している。
JR東日本によるとアナウンスをしたのは男性車掌(48)。同社は「あまりにひどい駆け込み乗車だったので、感情的になったようだ」と話す。
駆け込み乗車で大けがしかねないのは事実だ。過去には、ドアにはさまれて転倒し骨折したり、衣類のすそがドアに挟まってホームから転落するような事故も起きている。
駆け込み乗車による電車の遅れも深刻だ。山手線で仮に1駅で5~10秒ずつ遅れると、それだけで電車1本分の運転ができなくなる。JRのダイヤは最短10秒単位で刻まれており、運転士は遅れを取り戻すため、ブレーキのタイミングをずらすなど回復運転をする必要が出てくる。
すでに多くの方がブログに意見を書いており、中にはこれを、列車本数の少なさからJRの体質論に話を持っていき、「JR東日本ってのは、国鉄の時代から何も改善されていないどころか、余計悪くなってるということだろう。殿様商売っていうのは、きっとこういうことを言うんだろう」という意見もあった(まるでJR西日本の福知山線脱線事故報道のマスコミの論調みたいで、ちょっとがっかりした。もちろん個人の意見なのでそういう意見もありだろうが。)が、概ね、注意したほうの車掌を支持する意見で、ほっとした。
「サービス業としてはやはりマズイ」という意見もあったが、なんといっても安全に関わる部分である。何のためにアナウンスしているのかという目的を考えれば「お客様が事故に合わないため」であり、生半可なアナウンスでは本来ダメなわけで、事故が起きてからでは遅いのだ。
今回の件でもう一つ引っかかるのは、「これ(アナウンス)を聞いた別の乗客がJR東日本に抗議した」というところ。こちらについても、多くの方がJR東日本への抗議は筋違いと感じているようだが、同感だ。
「tonybinの二流人生」さんのところの6/18の記事「タテマエを要求して謝罪させる日本人」にも書かれているように、この「別の乗客」はいったい何を求めているのだろうか。「お客様」に対してその物言いはなんだ!ということなのだろうが、こういう本質と違うところにあるつまらない正義感が一番タチが悪い。そりゃ言葉遣いは丁寧なほうが良いに決まっているが、先にも書いたようにアナウンスの目的を考えれば危険防止にならなきゃ何の役にも立たない。
また、JR東日本が『「言葉に配慮がなかった」と非を認め、車掌を指導した』という部分は、大なり小なり接客がある仕事をしていれば、(サービス業という立場から)JR東日本としてもそうする(謝る)より仕方がないのだろうな…と思いつつ、どうもしっくりこないし、こういうのも何とかならないものかと思う。
この辺の感情については、「Fozyの独り言」さんのところの6/18の記事「怒る利用者、謝る企業。その両方にムカつく俺」にうまく書かれているが、「本気で反省しているわけはなく、波風を立てたくないだけ」で企業が謝ってしまうために、「(JR東日本に抗議した)バカは過ちを指摘できる識者ということになる」ということにイライラしてしまう、というのは、自分も同じように感じる。
最後に、効果的な駆け込み防止策を提案しているのが、B-CHANさんの「STELLAR WIND blog」6/18の記事「駆け込み乗車を過激に防いでみる」。いや、実際にやったらダメだけど(笑)。
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コメント
taboさん、TBどうもです。
あまり他のblog記事は読んでないのですが、やっぱりヘンだと思っている方も多いみたいですね。
よく「お客様は神様です」なんて言うけど、それはサービスを提供する側が言うことであって、客の側が「俺たちは神様だ!」と言うのは、明らかに勘違いですよね。
投稿: Fozy | 2005.06.18 19:25
色々論じられているが、理由は簡単だよ。
みんなストレス解消したいだけだよ。
題材なんて、何でもオーケー。
たまたま車掌放送にツッコミ所をみつけただけさ。
正義ぶって爽快感を感じられれば、何でもいいのさ。
顔をさらけ出して文句も言えない奴は、
こうして匿名でブログを立ち上げ、空き放題書いて、
ストレス解消さ。
マスコミだって同じだぜ。
地震で被災者を追いかけて、脱線で人が死にゃ騒いで、
レッサーパンダが立てば騒いで、人んちの兄弟喧嘩に首突っ込んで、
テレビや新聞を使ってストレス解消さ。
引き合いのブログに載っている、駐車禁止はボコボコオーケーの法律、
面白いな。
施行されたら、真っ先にストレス解消の標的になるよ。
板金屋は大儲けする法律だ。
俺は誰だって?
新着でここを見ちまった、ストレス溜まってる暇人さ。
ここが悪いとか、そういうことじゃないぜ。
目に付いちまったのが、運命ってやつさ。
投稿: | 2005.06.18 19:35
JRをサービス業としてみる場合、たしかに言葉使いには気を遣うんでしょうね。
だから、
「駆け込み乗車はJRにとって迷惑です」
ではなくて、
「駆け込み乗車は他のお客さんにとって迷惑です」
という論法のほうが言いやすいでしょうね。
そこへ行けば、アメリカ人はいいですね。
車掌「あんた怪我するぜ」
これだけで済みますから。
投稿: B-CHAN | 2005.06.19 23:37