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2005.04.25

JR福知山線脱線事故に対する呆れたコメント

25日に兵庫県尼崎市のJR福知山線塚口―尼崎駅間で起きた、宝塚発同志社前行き快速電車の脱線事故については、午前中からテレビ・ラジオともに特別番組を組んで報道していたようだが、夜10時からの夜ワイド枠においても、TBSラジオは「アクセス」の冒頭で、ニッポン放送は「ニッポン全国ラジベガス」の冒頭でそれぞれ20分程度、ニュースや現地からのリポートに切り替えて放送していた。(「ラジベガス」のほうは、番組途中でも再びニュースを入れていた。「アクセス」のほうは不明。)

 「アクセス」はTBSの記者、「ラジベガス」はラジオ関西の記者のリポートを入れるなど、どちらも力を入れていたが、それに水を差すようにどうしようもなかったのがこのニュースにコメントを述べていた2人だ。

 「アクセス」のほうは月曜レギュラーの田中康夫。
 事故に対するコメントを求められて、「JRは民営化したと言っているが、何も変わっていない」から始まり、「飛行機は東京から札幌へ行くのに複数(会社)の選択があるが、例えば東京から長野へ行くにはひとつしか選択肢がない」だの、「サービス業はどこでもサービスを受けてから料金を払うのに、JRはお客に運賃や定期券を6ヵ月分も先払いさせて、たいしたサービスもない」だの、もう訳が分からない支離滅裂なコメント。
 長野規模の都市に新幹線を平行して走らせること自体が非現実的は話であり(ちなみにバスは時間も違うから選択肢としては別だ、等と、更に訳の分からない注釈までついていた。)、比較になっていない。また、定期券代を後払いできる鉄道がどこにあるのか。田中知事も絡んでいた「しなの鉄道」は6ヶ月定期券は乗った後に払う後払い方式だったのだろうか?まったくそんなことはない。
 田中康夫がJR(東日本も西日本も一緒くたなのも無茶苦茶なのだが。)が嫌いなのは良く分かったが、そもそも今回の脱線事故とは何の関係もない単なる悪口と言いがかりであり、本人が大真面目にしゃべっているだけに、なおさら「アホらしい」の一言に尽きるコメントだった。

 一方「ラジベガス」のほうは、「レールウェイ・ライター」の種村直樹。
 こちらは電話による出演だったのだが、最初から、まるでお酒でも飲んでいたかのように会話に間があき、何だかろれつが回っていない状態。無音部分で放送事故にならないよう、スタジオが一所懸命場繋ぎしていたのが滑稽だった。加えて「事故の原因をどう考えているか」という質問に、間をあけた後、「えー、大きな事故は委員会を作ったりして、国土交通省も調べるでしょう」という、答えになっていない答え。
 続けてのコメントがまたよく分からない。「僕は昔関西にいましたが、あの線路は僕がいたころと変わっていない」等と言い出し、何を言うのかと思ったら、「阪神大震災のときに伊丹駅を高架にしましたが、あの線路が高架だったら、今回の事故はなかった」等と言い出した。どうして高架線なら今回の脱線事故が起きなかったのか、まったく意味不明だ。それどころか、場合によっては脱線して高架から転落してもっと大惨事になっていた可能性だってある。さすがにスタジオも聞いてもしょうがないと思ったのか、早々に会話を終わらせていた。
 種村氏は元毎日新聞記者で、フリーになってからは良くも悪くも多くの鉄道に関する本を出してきた人なのだから、たとえ技術に明るくなくてその方面ではコメントできなくても、事故原因なんかどうでもよくて大騒ぎしたいマスコミ報道に対して一言述べるくらいあってもよかったはずだが、それ以前の状態でほとほと呆れた。
 その後に見た、TBSテレビに出ていた曽根教授あたりは、質問するほうが原因を単純化(運転士が経験浅いからだ、とか、カーブがキツイから脱線した、とか)煽り立てているときに、「そんな単純なものではない」と、その辺慎重にコメントしていたから、余計差が目立った。

 「無理してコメントをとらなくても…」とつくづく思った2番組だった。

<追記・関連記事>
 JR福知山線脱線事故報道
 森本毅郎、小沢遼子がJR福知山線脱線事故報道に苦言
 運転士や車掌などへの『暴行』等が相次ぐ

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コメント

田中氏はおバカすぎ。飛行機だって閑散路線なら1社独占なのにねえ。鉄道も需要さえあれば東京-横浜、京都-大阪-神戸-姫路、大阪-名古屋のように私鉄並行路線はある。庶民の乗り物には乗ったことないんですかね。

種村氏は大病したあと調子が戻ってないのかな。だとしたら無理にコメント取る事ないですね。
そうかといって主にTBSに出ていた川島氏のコメントも感心しなかったなあ。アナリストと自称しながらコメント内容は殆ど素人同然(これは著書も同じだけど)。

やはり、技術に明るく冷静な曽根教授のコメントが一番安心して聞いていられました。実際複数局でひっぱりだこでしたね。

投稿: MARU | 2005.04.27 00:53

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