改編期の雑感など
まずは「日本全国ラジベガス」の感想のおまけとして、先週からスタートした今季ANN改編の目玉「松浦亜弥のオールナイト・ニッポン」について。
私自身、昔はLFのアイドル番組をよく聴いていたほうなのだが、今の自分が番組側が狙っているターゲットから外れているのは分かった上であえて書いてしまうと、「なんともゆるくて時間を持て余した放送」という感じだった。
前半30分過ぎくらいで飽きてしまったので、その後の展開は不明なのだが、「何も無理してANNでやらなくても「新日鐵コンサート」がなくなって編成上の自由度も増した、日曜のアイドルゾーンで1時間番組でやればいいんじゃないの?」という気がヒシヒシとした。
あと、これは最後まで聴いた訳ではないので、間違っていたら、あるいは番組中でキチンと断わっていたのなら申し訳ないのだが、あの放送って「録音だったんじゃないの?」という疑問がある。「何が」という確たるものはないが、番組の入り方、冒頭のLFスタッフとの会話などから、そんな気がしたのだがどうだろうか。
年齢的に体力面で問題があるとかならともかく、ラジオの醍醐味は生放送だと思う。しかも、もし「生番組」を装っていたとしたら、ちょっといただけない。それこそ録音番組やるなら土日でいいと思うのだが。果たして真実は如何に。
まあ、そんな松浦亜弥の起用だが、好意的に考えれば「そもそもラジオを聴く習慣のない若い世代に、ラジオのダイヤルを合わせて貰うきっかけ作り」と割り切っているのかもしれない。
一方、それを受けて立つほうの裏番組、TBSラジオ「JUNK」の新番組告知ページには、今は更新されていて見られないようだが、こんな宣伝文句が書かれていた。
ヤングターゲット(12~29歳)において聴取率トップを続け、今や「深夜放送」の代名詞は「オールナイトニッポン」から「JUNK」へと完全に移りました。
これについては上記抜粋部分の前後を含め、「オフ_ザ_グラウンド」さんのところの「JUNKがリニューアル」という記事で読めるので、リンク先を参照していただきたい。
確かに水曜深夜に限らず、ANNに昔ほどの勢いがないのは事実だろう。
「パックイン・ミュージック」を終了させた後のTBSラジオの同時間帯は、何をやってもANNに勝てずに改編期ごとに迷走し、「スーパーギャング」時代の「コサキン無理矢理100%」が初めて聴取率調査でANNを抜いてゴールデンマイクをもらうまで、ロクに勝てなかった(※)ことを知っている世代としては隔世の感がある。
(※…この辺りの歴史については、田無しさん作成「コサキンを聴く」の「変遷の部屋・時間帯の背景・2」が詳しい)
しかし、そうは言っても「「深夜放送」の代名詞が完全に移った」とは、昔からどちらかといえばTBSリスナーである自分でも思えない。ハッキリいってTBSのこの宣伝文句は、ちょっとおこがましいと思うのだが…。
「代名詞」というからには、名前を聞くだけで多くの人にイメージが湧いてくるぐらいでなければならないと思うのだが、TBSリスナーの間でも「JUNK」という名前が枠として定着しているとは到底思えない。
「オールナイトニッポン」といえば少しでも深夜放送を聴いたことがある人ならすぐ分かると思うが、「JUNK」という名前を聞いてTBSラジオの深夜放送だとすぐ分かる人がどれほどいるか。
あの宣伝文句が、新聞紙上などで、ラジオなんてほとんど聴いたこともないような記者や宣伝マンが書いたというのなら単に笑うところだが、ラジオの業界にいるもの同士なら、JUNKに勢いがあることを表現するにしても、もう少しANNの歴史・伝統というものに敬意をはらった別の表現がなかったのかと、ちょっと残念に思う。
<追記・関連記事>
ラジオ改編期(2)~松浦亜弥が「ANN」へ
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