東京メトロもラジオ受信を、災害対策で在京各局が要望
YOMIURI ON-LINEによると、在京ラジオ各局が、地震などの災害対策として東京メトロ(元営団地下鉄)の地下鉄内でラジオ受信できるよう、国に対策を要望し始めたとのこと。しかし、巨額の設備費が問題となり、見通しは不透明だという。
情報元:YOMIURI ON-LINE / 芸能・文化
リンク先の記事にあるように、現在東京メトロのトンネル内ではAM、FM放送とも聞くことができない。一方、都営地下鉄は全線でAM放送が受信できる(ことになっている)。
なぜラジオが聴けないの?携帯電話だってつながるのに?と思われる方もいらっしゃるかもしれないが(分かっている人にはごく当たり前の話なのだが)、ラジオも携帯電話も電波を使っているため、トンネルで遮蔽されている地下鉄内は地上の電波が入らないからで、駅の入口付近など地上から電波が漏れて入ってくるようなところを除いて、本来地下鉄では携帯電話も使えないのだ。
それがなぜ携帯が使えるかというと、駅ごとにホーム等にアンテナを設置して電波を中継しているからで、同様に「都営地下鉄は全線でAM放送が受信できる」というのは、地上で受信した電波を、駅だけでなくトンネル内に引いたケーブルから電波を再送信しているからなのだ。
記事によると、これらの設備には巨額の費用がかかるために東京メトロも慎重だというが、都営地下鉄の場合は、やはり「都営」としての災害対策の観点と、地下鉄としては後発ゆえのお客様サービスの観点から導入したものと思われる。余談だが、都営では各駅構内において無線LAN設備を構築して公衆無線LANサービスも始めようとしており、なかなか積極的である。
今回各局は「災害時」の情報提供手段として要望していて、もちろん災害時のラジオの有効性は言うまでもないのだが、同時に普段から朝夕の通勤時にラジオを聴いてもらいたいという思惑もあるのではないか。
確かに今でも長距離通勤のお供に朝の電車の中でラジオを聴いている人は多く、何も災害時でなくとも、地下鉄線内でラジオが聞ければありがたいに違いない。
ただ、最初に「受信できる(ことになっている)」と、あえてカッコ書きしたのは、全体にいまひとつ使いにくいからなのだ。
電波は確かに入ってきているが、現状では電車の走行音自体が大きく(特に地下はトンネルで反響するためうるさい)、トーク主体のAMラジオ番組は、音楽と違って相当イヤホンのボリュームを上げないと会話が聞き取りにくいこと(かと言って会話が聞き取れるほどまで音量を上げると、相当耳に良くない)、また、車両によってはモーターや集電装置(パンタグラフ)からのノイズが大きく、これまた番組の最中に突然強烈なノイズが聴こえてくると、とても落ち着いて聞いていられない。
時折学生が、走行音に負けずにメロディに没頭したいためなのか、となりに座っていると洩れてくる音だけで何の曲を聴いているのか分かるぐらいの大音量で音楽を聴いていることがあるが、あんなふうに「難聴まっしぐら」みたいなことはしたくない。改善はなかなか難しいのだろうが、単に電波事情だけでなく、このあたりの事情も考慮してもらえるとありがたいのだが。
(余談)
都営新宿線に最近新車が入ったようで、この前乗る機会があったのだが、整備のされていない自転車のような騒々しいブレーキ音?にびっくり。普通に会話をしていた乗客にまで「ずいぶんうるさいねぇ、この車」と言われていて残念だった。あれでは正直ラジオを聴くどころではない。走行中は今までの車両より静かな気がするだけに惜しい。
(余談9/11追記)
先日同じ車両に乗る機会があったが、ブレーキ音はかなり緩和されていた。かなり整備がされたのか、走りこむうちに収まるものなのかは分からないが、乗客としてはなにより。
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コメント
最近の電車はVVVFインバータ制御車が多くなってきましたね。VVVFつまり電圧と周波数を変化させてスピードコントロールするので、加減速時に結構大きなノイズが入ります。家庭やオフィスでもパソコンやインバータ蛍光灯などをはじめとしてノイズ減が多くなりラジオの聴取環境は悪くなるいっぽう。なんとかしたいですね。
投稿: MARU | 2005.02.25 23:34
電車内の聴取はやはり厳しいですね。騒音問題のほうは、騒音を打ち消す特殊なヘッドホンを使えば効果があるらしいのですが、VVVFのノイズ等はこちらで対応するわけにもいかないですし。
今いる部屋も、AMラジオに影響があるというだけで、インバータ蛍光灯を取りやめた私です。
投稿: tabo | 2005.02.26 19:26