ライブドア関連報道に見る、ニュースの見方
今週、一連のライブドアによるニッポン放送株取得問題で、今までほとんど沈黙に近い状態だったフジテレビが、大々的に動いた。
…と言っても、「新株予約権」自体の話ではない。ライブドアによるニッポン放送株取得問題について、初めてと言ってよいほど自社のニュースでまともに取り上げたことだ。
(ちなみに報道しようとした内容については、またまた、まとまっているこちら→ さにぼー@のほほんblog を見ていただきたい。)
これまで、これだけ世間で話題となり、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ等が大々的に取り上げてきたニュースを、フジテレビ系のニュース番組ではまったくと言っていいほど「無視」してきた。同業他社の取り上げ方もはしゃぎ過ぎな面も目立ち、それはそれであまり褒められたものではないと思うが、それにしてもニュースで一言も触れてこないのは結構不自然で、この問題に相当神経質になっていることを窺わせた。
それが、2月23日夜放送のフジテレビ「ニュースJAPAN」はトップ項目で、しかも長時間を割いてフジ・サンケイグループの言い分を伝えた。今回の問題について、初めて正面から報じたと言ってもいいだろう。
つまり、フジテレビのニュースは、自社グループにとって良い話ではない時はニュースとして報じず、反転攻勢に出た時にだけ重要なニュースとして取り扱っているわけである。
フジテレビのニュースは、古くは「夢工場」のイベントから始まり、自社系列のイベントを、さも世間一般的な行事のようにニュース項目として取り上げる印象があるが、民放各局はもちろんのことNHKでさえも、自社に関係のあるイベントについてはニュースの最後に取り上げたり特集コーナーで取り上げたりしており、今更報道が偏っているとか騒ぐことではないと思うが、今回のように極端になれば、今まではなんとなく「どこの局でニュースを見ていても、ニュース番組というものは公平、中立に報道しているものだ」と思っていた人でも、そんなことはない、ということに気づく良いきっかけになったのではないか。
例えば新聞でも、大きく分けて朝日・毎日と読売・産経とで同じ事件を取り上げてもトーンが違うように、テレビもまた、それぞれの社の事情・考え方があって、当然取り上げ方は違う。
視聴者の立場では、ニュースを見るときには、そこに取り上げられている物事や考え方だけが全てではない、ということを頭の片隅に置きながら見ていくほうがいいに違いない。
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コメント
こんばんは。フジテレビの報道体制は、たしかに不公平と思われるかもしれませんが、「当事者であるフジテレビが、事態の動向に影響を与えないため」・・・というのも自粛していた理由の一つにあると思います。
投稿: さにぼー@栃木 | 2005.02.28 03:54
さにぼーさん、こんばんは。
私の意図としては「フジテレビの報道は決して公平・中立ではないが、それが良いとか悪いとかではなく、見るほうも、そういうこともあるという前提で一歩引いてみてみることが必要だ」という趣旨だったのですが、私の書き方が悪かったようですみません。
おっしゃるように、今回の場合フジテレビが当事者である以上、他社のようには取り上げられないだろうと私も思います。
投稿: tabo | 2005.02.28 22:56