古舘伊知郎の向き不向き
古舘伊知郎が日本テレビ「おしゃれカンケイ」を降板し、テレビ朝日「報道ステーション」のキャスターに専念する、という記事をみた。しかし今の「報道ステーション」での古舘さんを見る限りでは、チャレンジ失敗だったのではないかとつい思ってしまう。
古舘さんというのは、決してしゃべりが下手な人ではないと思うが、やはり向き不向きはあると思う。
例えば、元々プロレス実況で名を上げたとおり、絵的に派手で常に動きがあるシーンの実況にはあの矢継ぎ早のトークは合っていると思う。しかし、動きの少ない場面の描写や今の「報道ステーション」のように相手の話をじっくり聞き込む場合、間を埋めようとするのか、つい全部自分でしゃべってしまい、「ただうるさいだけ」の人になってしまっている。
特に政治家など、本人があまり話したくない、触れたくない話題をあえて相手にしゃべらせようとすると、無駄に持ち上げてみたり、いらん比喩を付け加えてみたりして、ますます空虚な空間が広がっている気がして痛々しい。
私が思うに、古舘さんのしゃべりというのは、画面に乗せる派手な効果音と同じく、画面を引き立て盛り上げるしゃべりなんだろうと思う。つまり、主役はあくまで写っている「絵」なのだ。その絵の後ろでその状況をより盛り立てているうちはよかった。プロレス実況でも主役は当然プロレスであり、それを盛り上げるのがまさに実況だから。
「報ステ」の古舘さんが、見ているほうも(恐らくやってるほうも)今ひとつしっくりこないのは、古舘さん自身が、自分が画面上の主役になってしまったときの対処が掴めず、戸惑ってしまっているからではないだろうか。
ちなみに 「おしゃれカンケイ」枠の古舘さんの後任としては、★芸能日報!てれびまにあ。さんのところでは、久米宏の起用がいいのではないかと言われている。
私個人としても司会に戻った久米さんをぜひ見てみたいのだが、久米さんには本当はラジオを一本やって欲しいのだ。業界向けリップサービスかもしれないが、本人も「ラジオが好きだ」と何度も言っているようですし、自身のかつての人気番組「久米宏の土曜ワイドラジオTOKYO」(TBSラジオ)を超える新たな番組を、ここらでぜひやってもらいたい。
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